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がんについて
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膀胱がん

【1】膀胱がんとは

膀胱は尿を貯留し、排泄する臓器です。 腎臓で作られた尿は尿管を通過して膀胱に入り、貯えられ、尿意を感じた時に尿道を通して排泄されます。膀胱は表面の粘膜と厚い筋肉層からできており、粘膜上皮細胞からできた悪性腫瘍をがんと呼びます。 筋肉や脂肪細胞からできた悪性腫瘍は肉腫と呼びます。

1.膀胱がんの統計

尿路がん(腎盂、尿管、膀胱)の中で、罹患(りかん)数が最も多く、尿路がん全体の約半数を占めます。 わが国では、膀胱がんは人口10万人あたり10人程度の発生率と思われます。 膀胱がんは症状が早期より出やすいため早期発見率が高く、また悪性度の低い乳頭状がんと呼ばれるものの割り合いが多いため、比較的死亡率の低いがんです。男女比は3対1と男性に多く、60歳以降の高齢者に多く見られ、また、若年者より高齢者の方に悪性度の高いがんが多いのが特徴です。

2.膀胱がんのタイプ

膀胱がんは、大きく分けて3つのタイプがあります。

  • 1.乳頭がん

    カリフラワーや、いそぎんちゃくのように表面がぶつぶつとなっている形のがんで、膀胱の内腔に向かって突出しています。しかし、がんの病巣は、膀胱の粘膜にとどまっていることが多く(表在性がん)、転移や浸潤(しんじゅん)をしないものです。

  • 2.非乳頭がん

    乳頭がんとは異なり、がんの表面は比較的スムーズで、こぶのように盛り上がったものから、膀胱粘膜下に進展して粘膜がむくんで見えるものまでさまざまです。このがんは、膀胱を貫いて、壁外の組織へ浸潤しやすく、また転移しやすい特徴があります。

  • 3.上皮内がん

    膀胱の表面には、ほとんど隆起した病変を生じませんが、膀胱粘膜壁に沿って悪性度の高いがん細胞が存在している状態です。初期のがんではありますが、無治療でいると浸潤性のがんになっていきます。

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【2】症状

1.肉眼的血尿

膀胱がんの初発症状として、最も多く認められる症状です。膀胱炎と違い、痛みを伴わないことが一般的です。数日経過すると突然血尿が止まってしまう場合もあります。しかし、血尿があるからといって、必ずしも膀胱がんをはじめとする尿路系のがんがあるとも限りません。

2.排尿痛

排尿痛や下腹部の痛みが出現する場合もあります。この症状は膀胱炎と非常に類似していますが、抗生剤を服用してもなかなか治らないことが特徴です。

3.背部痛

初発症状に出現することはまれですが、膀胱がんが広がり尿管口を閉塞することによって、腎臓がつくり出した尿が膀胱まで流れず、尿管、腎盂が拡張してくることがあります。これを水腎症と言いますが、水腎症になると背中の鈍痛を感じることがあります。

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【3】診断

1.膀胱鏡検査

現在では最も確実性の高い検査です。尿道から硬性もしくは軟性のファイバースコープを挿入して膀胱内を観察する検査で、男性では多少とも痛みを伴うのが難点です。

2.尿細胞診

尿中に剥離したがん細胞の有無を見る検査です。排泄物である尿を用いるため患者さんに負担がかからず、繰り返し行えるのが利点です。 全体では70%陽性率で、30%の患者さんではがんがあっても陰性です。感度の高い検査とはいえませんが、悪性ながんでは早期より陽性率が高いため、臨床的には極めて有用性の高い検査です。

3.レントゲン検査

静脈性尿路造影検査、膀胱造影検査がありますが、腫瘍が小さいとなかなか診断できません。

4.超音波検査

1cm以上の腫瘍であればおおむね診断可能ですが、がんの存在部位により死角があるのが難点です。

5.CT・MRI検査

がんの存在診断よりがんの浸潤度、進行度の診断に有用です。一次検査としては行いません。

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【4】病期(ステ-ジ)

  • O

    上皮内がん(Tis)。扁平で悪性度の高い初期がん。

  • A

    乳頭状の形態を示す非浸潤性、もしくは粘膜下浸潤がん(Ta、T1)。

  • B

    膀胱の筋肉層に浸潤したがん(T2a、T2b)。

  • C

    筋肉層を超えて膀胱周囲の脂肪組織に浸潤したがん(T3a、T3b)。

  • D

    前立腺、子宮、直腸などの近接臓器に浸潤(T4a、T4b)、もしくはリンパ節や肺、肝、骨などの遠隔臓器に転移したがん。
    なお、進行度は表在性(Tis、Ta、T1)と浸潤性(T2、T3、T4)の2つに大きく分けることができます。

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【5】治療

1.外科的治療

膀胱がんの外科的な治療は大きく分けて2つの方法があります。

  • (1)経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)

    一般に、表在性の膀胱がんにこの術式が適応となります。膀胱内に特殊な膀胱鏡を入れて内視鏡で確認しながら、電気メスでがん組織を切除する方法です。手術時間は1時間程度です。手術後膀胱を安静に保つ目的で、自然に尿を体外へ誘導するために、膀胱内に管(カテーテル)を留置します。通常は翌日に抜去します。浸潤度の高いがんでは、完全に切除することが困難で、この治療法では不十分です。

  • (2)膀胱全摘除術

    がんの浸潤度が高く、TUR-BTで不十分な時にはこの手術が必要です。全身麻酔を行い、骨盤内のリンパ節の摘出(骨盤内リンパ節郭清:こつばんないりんぱせつかくせい)と膀胱の摘出を行い、男性では前立腺、精嚢(せいのう)、女性では子宮を摘出します。また、尿道も摘除することがあります。 膀胱を摘出した後は、「尿をためておく袋」がなくなりますので、何らかの尿路の再建が必要となります。これを尿路変向術と呼びますが、大きく分けて3つの方法があります。

1.回腸導管造設術

左右の尿管を遊離した小腸の一部に植え込んで、その回腸の先を皮膚に出す方法です。皮膚から飛び出した回腸の部分をストーマと呼び、このストーマには尿をためる袋をつけておかなければなりません。この方法は、最もオーソドックスな方法で合併症が少ないことが特徴です。しかし、たえず尿がストーマから流れ出ているので、常時袋をつけていなければならないわずらわしさがあります。

2.自排尿型新膀胱造設術

腸を使って人工的な尿をためる袋をつくり、その出口を尿道につなぐ方法です。これはストーマがなく、今までと同じように尿道から尿を排泄できることが大きな特徴です。しかし、膀胱がんは尿道にがんが再発することがあるため、尿道に再発する危険性が高い場合は適応となりません。排尿機能は本来の膀胱のようにはいきませんが、近年術式も安定し、尿道を温存できる場合には、第一に考慮する方法です。

3.導尿型新膀胱造設術

回腸導管造設術の欠点をカバーするために、近年登場してきた方法です。異なる点は、腸を袋状にし、かつある程度たまるまでは尿が漏れないような工夫をすることです。人工的に腸でつくった袋に尿がたまった時に、ストーマから自分で管を挿入し導尿します。したがって、ストーマはあるものの常に尿が流れ出ている状態ではありませんので、袋を貼るわずらわしさがありません。ただし、回腸導管造設術に比べれば歴史は浅く、長期成績がないこと、手術に時間がかかることなどが欠点となっています。また、手術後、新膀胱内に結石ができることが多く、この点からはあまりクオリティのよい方法とはいえません。

2.放射線療法

放射線治療の適応となるものは基本的に浸潤性の膀胱がんです。膀胱の摘出手術では尿路変向が必要となるデメリットがあるため、あえて放射線治療や、放射線治療に化学療法をあわせて治療し、膀胱を温存することもあります。しかし、病巣周囲の正常組織にも放射線の影響が及ぶため、膀胱が萎縮し尿が近くなったり、直腸より出血したり、皮膚のただれが生じることがあります。また、がんにより引き起こされる症状や、転移した病変のコントロールに放射線治療が選択されることもあります。

3.抗がん剤による化学療法

転移のある進行した膀胱がんは化学療法の対象になります。使用する抗がん剤は、1種類ではなく、通常2種類以上です。M-VAC療法(メソトレキセート、ビンブラスチン、アドリアマイシンあるいはその誘導体、シスプラチンの4剤の組み合わせの治療)が、現在膀胱がんの治療に最もよく行われる化学療法です。治療中は副作用として、吐き気、食欲不振、白血球減少、血小板減少、貧血、口内炎などがおきることがあります。また、転移がない膀胱がんでも、筋層以上に浸潤している時には、術後の再発や、遠隔転移の予防に術前、あるいは術後に化学療法を追加する場合があります。

4.BCG、あるいは抗がん剤の膀胱内注入療法

膀胱内に上皮内がんや多数の乳頭状のがんがある場合には、膀胱内にBCGや抗がん剤(マイトマイシンCやアドリアマイシンなど)を注入することがあります。この治療は外来で行うことができ、週に一度の注入を数回行います。浸潤性の膀胱がんにはこの治療は適しません。また、TUR-BTの後に何度も再発するような膀胱がんに対し、再発予防にこれらの薬を注入することがあります。

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