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がんについて
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骨肉腫

【1】骨肉腫とは

骨肉腫とは骨にできる“がん”のことです。腫瘍細胞が骨を形成することを特徴とします。骨原発の悪性腫瘍のなかで最も多く、100万人に1~2人の割合で発症し、年間約200人が我が国で発生しています。

好発年齢は、10代から20代がほとんどであり、盛んに運動をしている活動性の高い青少年期に発病します。女性に比べてやや男性に多い傾向があります。好発部位は膝関節周辺(大腿骨遠位と脛骨近位)であり、他には肩(上腕骨近位)に多く発生します。これらの部位で全体の約80%を占めます。

残念ながら、現在、明らかな原因はわかっていません。ごくまれに家族内の発生がみられますが、がんを抑える遺伝子の異常が関与しているという報告もあります。

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【2】症状

若年者に多いことから、初発症状は主に運動時痛です。病気が進行すると安静時痛や夜間痛なども生じてきます。スポーツ活動に伴って痛みを生じることから、筋肉痛などとして放置されることもあり、注意が必要です。骨の外まで腫瘍が大きくなると、外見上腫れてきたり、熱感を生じたりします。時に腫瘍に侵された骨がもろくなり、転倒などを機に骨折を生じて見つかることもあります。

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【3】診断

診断において、年齢、病変の部位、症状の有無や変化、大きさの変化などは非常に重要です。またこれまでに、どんな病気にかかったことがあるかなども診断の材料となります。そして視診や触診をすることで、大きさや硬さ、熱感、可動性、リンパ節の腫れなどを確認します。これらを行うことで、ある程度病気を類推できます。 また、画像検査や血液検査、組織学的検査も主な診断法となります。

1.画像検査

  • (1)単純X線写真

    腫瘍による骨破壊像や骨形成による骨硬化像が混在した像を呈することが多いです。骨の外に腫瘍が進展すると、骨のまわりの骨膜に反応性の骨形成像(骨膜反応)を認めます。

  • (2)CT検査

    解剖的に骨の重なりの多い脊椎や骨盤の病変の診断に有用です。骨の破壊の程度や腫瘍内骨化などを調べるのに優れています。これで骨の壁が壊れているようであれば、悪性腫瘍を強く疑います。

  • (3)MRI検査

    組織を判別する能力が高く、好きな断面で画像が見られるため、腫瘍と周りの筋肉や神経、血管などとの位置関係を調べるのに有用です。また腫瘍がどれだけ周囲の組織に浸潤しているかなどを見るのにも優れています。また、ガドリニウムという造影剤を使用することで、悪性腫瘍であれば強く造影されるため、それらの所見は非常に診断の助けとなります。

  • (4)核医学検査

    1.骨シンチグラフィー
    骨肉腫は骨を形成する腫瘍であるため、腫瘍とその周囲の反応組織に強く集積します。また他の全身骨への転移などを描出するのに優れています 。
    2.タリウムシンチグラム
    腫瘍内の血流や細胞の密度などと関連が深いため、良悪の鑑別などに用いられます。また治療の効果判定などにも有用な検査です。通常、骨肉腫では強い集積を認めますが、治療効果があると集積が消失します。

  • (5)血管造影

    腫瘍内の血流判定や腫瘍と血管の位置関係を評価するのに有用です。しかし現在では、CTやMRIの発達により血管造影の有用性は減少しています。抗がん剤の動脈内注入などの治療目的で使用していることが多く、同時に治療の効果判定にも利用可能です(治療効果があると腫瘍濃染がなくなります)。

2.血液検査

がんの時には通常腫瘍マーカー(腫瘍が作り出す特殊な酵素や抗体)を調べますが、残念ながら、原発性悪性骨腫瘍だけに特徴的な血液腫瘍マーカーはありません。骨が新しく作られたり壊されたりすると、骨の酵素であるアルカリフォスファターゼ(ALP)が上昇します。骨肉腫ではこのALPの値が非常に高値を示します。治療効果があるとALPの値が正常化するため、治療効果判定に役立ちます。

3.組織学的検査

診断の確定は、病気そのものの組織や細胞を採取して顕微鏡で調べること(病理検査)によって行います。病理検査のために組織や細胞を採取することを生検術といい、針生検と切開生検の2とおりの方法があります。針生検は腫瘍を専用の針で刺して細胞や小組織片を採取する方法で、局所麻酔で行うこともできる検査ですが、硬い骨や深部の病変の場合は、十分な組織が得られないこともあります。切開生検は手術により皮膚を小さく切開し、腫瘍の一部を採取する方法で、針生検に比べて十分な組織を採取することが可能です。患者さんの状態や腫瘍の局在、治療方法などに応じて選択します。

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【4】病期(ステージ)

骨肉腫は、原発性悪性骨腫瘍の一つなので、ステージ・病期分類は原発性悪性骨腫瘍の病期・ステージと同じです。 原発性悪性骨腫瘍のステージ・病期分類は、がんの大きさやリンパ節への転移、遠隔転移の状態で分類する「TNM分類」と、原発巣の手術を行うときに役立つことを目的とした「サージカル・シテージング・システム(Surgical Staging System)」の 2つの種類があります。 ただ、骨肉腫の場合は、「サージカル・シテージング・システム」の方がよく使われます。なぜなら、サージカル・シテージング・システムによる分類は手術するべきかどうかがはっきりとわかるからです。 以下に原発性悪性骨腫瘍の2つのステージ・病期分類について示します。

TNM分類

  • I A期

    腫瘍の大きさが 8cm以下で、悪性度が低く、転移がない状態

  • I B期

    腫瘍の大きさが 8cmより大きく、悪性度が低く、転移がない状態

  • II A期

    腫瘍の大きさが 8cm以下で、悪性度が高く、転移がない状態

  • II B期

    腫瘍の大きさが 8cmより大きく、悪性度が高く、転移がない状態

  • III期

    原発腫瘍と同じ骨の中に転移がある状態

  • IV A期

    リンパ節への転移はなく、肺へ転移している状態

  • IV B期

    リンパ節への転移がなく、遠隔転移している状態。または肺以外の場所に遠隔転移がある状態

サージカル・シテージング・システム

  • I A期

    悪性度の低い腫瘍が骨の中だけにあり、転移がない状態

  • I B期

    悪性度の低い腫瘍が骨の外へ広がっているが、転移はない状態

  • II A期

    悪性度の高い腫瘍が骨の中だけにあり、転移がない状態

  • II B期

    悪性度の高い腫瘍が骨の外まで広がっているが、転移はない状態

  • III期

    遠隔転移がある状態

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【5】治療

骨肉腫の場合には主に化学療法と手術療法が行われます。

1.化学療法

骨肉腫に対しては、1980年代以降から化学療法は必須の治療となっています。化学療法により生存率の劇的な改善が得られました。特に他のがん種と違って、手術前から化学療法を行うことを特徴としています。 使用する抗がん剤には、アドリアマイシン(ADM)、イフォマイド(IFM)、シスプラチン(CDDP)、メソトレキセート(MTX)、ビンクリスチン(VCR)、アクチノマイシンD(ActD)、エンドキサン(CPM)などがあります。腫瘍細胞には様々な種類の細胞があるため、実際に使用する際には、作用の異なるいくつかの薬剤を組み合わせて使用します。 化学療法の多くは、通常3週間程度の間隔をおいて抗がん剤を投与します。これは、1回の抗がん剤による副作用(骨髄抑制、腎臓障害など)から体が回復するために3週間程度の時間を要するためです。 また、術後化学療法は、手術によって全身に散らばった腫瘍細胞を殺すことや、体内に存在する目に見えない腫瘍細胞を撲滅するために行い、転移や再発の予防につながります。

2.手術療法

骨肉腫の局所治療で最も重要なのは、原発巣の確実な切除です。確実な切除を行うために、各種画像診断を用いて念入りに術前計画をたてます。手術は切・離断術と患肢温存術とに分けられます。切・離断術は、以前、効果的な化学療法が開発されていなかった時代に最も多く用いられていた手術法です。患肢温存手術とは、腫瘍を取り残す事なく一塊に切除し、手足(四肢)を残す手術です。近年、化学療法を中心とした集学的治療の進歩とともに患肢温存手術が標準的な治療法として行われるようになってきました。

  • (1)適応

    腫瘍を切除した後、なんらかの方法によって使える手足を残すことができる症例が対象です。腫瘍を切除する時に、血管を切らないといけない場合は人工血管などによる再建が可能ですが、神経がやむなく犠牲となり運動知覚麻痺となる場合は、相談のうえ切断を考えることもあります。

  • (2)根治的手術のための切除範囲

    悪性腫瘍の場合、一般に広範切除(正常組織で腫瘍を包み込むようにして一塊として切除する方法)が行われます。広範切除では、正常組織の犠牲も極端に大きいわけではないので、比較的良好な患肢機能が維持できます。しかし、腫瘍が神経や血管に接している場合などは、広範切除を行なうにあたって神経や血管を犠牲にせざるを得ないこともあります。主要な神経や血管の集まった部分を辺縁切除(腫瘍の表面で切除する方法)し、それ以外は広範切除とする準広範切除は、化学療法等の補助療法が効果的であれば広範切除と同様の成績であると報告されています。

  • (3)再建方法

    1.腫瘍用人工関節(プロステーシス)
    関節を温存できない場合に用いられます。これは大きな骨欠損にも対応でき、早期に荷重(体重をかけて歩くこと)も開始できるといった利点があります。一方で人工物であるがために磨耗、緩み、折損などといった耐久性に問題があるのが欠点です。また、切除の際はずした筋肉や靭帯の縫着が困難であることや、感染に弱いことなども問題となります。 世界では最も一般的な治療法として行われています。

    2.自家骨移植
    2-1 血管柄付き腓骨移植 血管をつけたまま腓骨を採取し、骨欠損部に移植する方法です。血行が温存されるため、確実な生着が期待できます。しかし、手術手技が煩雑であること、体重をかけられるようになるまでに長時間かかること(太くなるために時間を要する)、時に骨折や変形を生じることなどの欠点があります。

    2-2 処理骨移植
    腫瘍を含めて広範に切除した腫瘍骨から腫瘍を掻き出し、周囲の筋肉などを除去した後に、骨に残った腫瘍細胞の死滅を目的に処理を行い、その骨を再建に用いる方法です。以前から、オートクレーブ処理、アルコール処理、パスツール処理、放射線処理などがありましたが、その手技が煩雑、力学的強度が低下するなどの問題がありました。そこで最近では液体窒素処理なども行われるようになりました。

    2-3 同種骨移植
    他人の骨を使用する方法です。わが国では、骨銀行のシステムが整っていないので、部位に応じた大きな移植骨を入手するのは困難です。拒絶反応はありませんが、骨癒合までに時間を要し、骨折、感染などの合併症の頻度も高いといわれています。

    3.骨延長
    特殊な器具(創外固定器など)を用いて、腫瘍骨切除後の欠損部に新しく骨を伸ばして、欠損部を補填する再建法であり、腫瘍切除術後の再建法としては最も理想的な再建方法です。骨延長の方法として、骨移動術と短縮延長術があります。骨移動術は本来の骨の長さを保ちながら骨片を一日に0.5~1mm移動させて移動部に骨を形成させる方法です。短縮延長術は骨欠損部を一度短縮させて、その後一日0.5~1mmずつ正常な長さまで伸ばしていく方法です。この方法によって再建された患肢は、耐久性にもすぐれ、運動などにも耐えられる強度を有し、永久的に自分の足として機能する、誰もが希望する元通りの足となります。ただし骨延長の問題点は、機能的な足となるために創外固定装着期間が長くなることです。

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