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がんについて
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乳がん

【1】乳がんとは

女性の乳がんの約90%は乳管から発生した乳管がんです。その他、約5~10%が小葉(しょうよう)から発生する小葉がんです。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査(病理学的検査)すると区別できます。この他に特殊な型の乳がんがありますが、あまり多いものではありません。

乳がんの場合、がん細胞は比較的小さい時期から乳腺組織からこぼれ落ち、リンパや血液の流れに乗って乳腺から離れた臓器に小さな転移巣をかたちづくり、転移巣が大きくなることで「遠隔転移」がみつかります。

例えば、肺に転移した場合は「乳がんの肺転移」と呼び、肺にあってもその性質は乳がんであり、もともと肺から発生する「肺がん」とは異なります。このように遠隔転移を有する乳がんを総称して「転移性乳がん」と呼びます。乳房にがんが見つかった時点ですでに遠隔転移を有する場合と区別して、手術などの初期治療を行ってから発見される場合を「再発乳がん」と呼びます。再発乳がんの中でも、手術をした部分だけに再発することを「局所再発」と呼びます。また、がんが皮膚や胸壁におよんでいるためそのままでは手術ができない乳がんは「局所進行乳がん」と呼びます。

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【2】症状

乳がんの症状としては、乳房のしこりや、乳房にえくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤くはれることがあります。また病状が進んでくることで、乳房近くのリンパ節がはれ、腕がむくんだりしびれがでてくることもあります。

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【3】診断

1.レントゲン撮影(マンモグラフィー)

マンモグラフィーは乳房を装置に挟んで圧迫しX線撮影する検査です。触診では見つからないような小さながんが見つかることがあります。

2.乳腺のその他の画像検査

しこりががんであるかどうかや病変の広がりを診断するために、乳腺の超音波検査、MRI検査、CT検査などを行います。

3.穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)と針生検

しこりが見つかった場合、しこりに細い注射針を刺して細胞を吸いとって調べる「穿刺吸引細胞診」により、80~90%の場合ではがんかどうかの診断が確定します。さらに多くの情報を得るために太い針を刺してしこりの一部の組織を採取する「針生検」を行うこともあります。触診では明らかなしこりがみつからず、画像検査だけで異常が指摘されるような場合には、マンモトーム生検と呼ばれる特殊な針生検を行うこともあります。

4.遠隔転移の検査

乳がんが転移しやすい遠隔臓器として肺、肝臓、骨、リンパ節などがあります。診断には、胸部レントゲン撮影、肝臓のCTや超音波検査、骨のアイソトープ検査(骨シンチグラフィ)などが行われます。

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【4】病期(ステージ)

  • 0期

    乳がんが発生した乳腺の中にとどまっているもので、極めて早期の乳がんです。

  • I期

    しこりの大きさが2cm(1円玉の大きさ)以下で、わきの下のリンパ節には転移していない、つまり乳房の外に広がっていないと思われる段階です。

  • IIa期

    しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節への転移がある場合、またはしこりの大きさが2~5cmでわきの下のリンパ節への転移がない場合です。

  • IIb期

    しこりの大きさが2~5cmでわきの下のリンパ節への転移がある場合です。

  • IIIa期

    しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移があり、しかもリンパ節同士が強く癒着していたり周辺の組織に固定している状態、またはわきの下のリンパ節転移がなく胸骨の内側のリンパ節がはれている場合です。もしくは、しこりの大きさが5cm以上でわきの下あるいは胸骨の内側のリンパ節への転移がある場合です。

  • IIIb期

    しこりの大きさやわきの下のリンパ節への転移の有無にかかわらず、しこりが胸壁に強く固定しているか、皮膚にしこりが顔を出したり皮膚が崩れたり皮膚がむくんでいるような状態です。炎症性乳がんもこの病期に含まれます。

  • IIIc期

    しこりの大きさにかかわらず、わきの下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節の両方に転移のある場合、あるいは鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある場合です。

  • IV期

    遠隔臓器に転移している場合です。

  • 再発乳がん

    乳房のしこりに対する初期治療を行った後、乳がんが再び出てくることを「再発」といいます。通常は他の臓器に現れることを指し、IV期の乳がんとあわせて「転移性乳がん」といいます。手術をした乳房の領域に現れることは「局所・領域再発」と呼んで区別します。

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【5】治療

乳がんの治療には、外科療法、放射線療法、薬物療法があります。

1.外科療法

乳房にできたがんを切除するために行います。通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。 乳がんの手術には、次のような術式があります。

  • (1)乳房のしこりを切除する手術

    (a)腫瘍核出術
    乳房のしこりだけを切除する手術です。がんの手術としては一般的ではありませんが、多くは吸引細胞診や針生検で術前にがんの診断がつかない時に行われます。

    (b)乳房部分切除術
    しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、「乳房温存手術」と呼ばれます。しこりが小さい場合は適応ですが、しこりが大きい場合などには、原則として適応にはなりません。

    (c)単純乳房切除術
    がんのできた側の乳房を全部切除し、わきの下のリンパ節の切除は行いません。

    (d)胸筋温存乳房切除術
    この術式が最も一般的な乳がんの手術方法で、乳房とわきの下のリンパ節を切除します。

    (e)胸筋合併乳房切除術(ハルステッド法)
    乳房とわきの下のリンパ節を含め、乳腺の下にある大胸筋や小胸筋を切除します。かつてはこの手術方法が標準的手術方法でしたが、現在ではがんが胸の筋肉に達している場合にのみ行われます。

  • (2)わきの下のリンパ節に対する手術

    (a)腋窩リンパ節郭清(えきかりんぱせつかくせい)
    通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。腋窩リンパ節郭清は、乳がんの領域でのリンパ節再発を予防するだけでなく、再発の可能性を予測し、術後に薬物療法が必要かどうかを検討する意味で非常に重要です。腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした側の腕にリンパ浮腫が現れたり、肩の痛みや運動障害が起こる場合があります。

    (b)センチネルリンパ節生検
    センチネルリンパ節とは、乳がんからこぼれ落ちたがん細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節のことを指します。がんの近傍に放射線同位元素や色素を注射することにより見つけます。センチネルリンパ節生検は腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ手段として期待されていますが、現在ではまだ研究段階の治療です。

  • (3)乳房再建術

    がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉、または人工物を使用し形成する手術です。乳頭を形成することもできます。

2.放射線療法

乳がんでは外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行われる場合(術後放射線療法)と、骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために行われる場合があります。

副作用は、放射線の照射領域に含まれる臓器に特有の症状が現れます。例えば、腰椎に放射線をあてた場合は皮膚や消化管の炎症などが想定されます。

3.薬物療法

乳がんの治療に用いられる薬は、ホルモン療法、化学療法、分子標的療法(ぶんしひょうてきりょうほう)の3種類に大別されます。

  • (1)ホルモン療法

    女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。 ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤などがあります。 副作用は、化学療法に比べて一般的に極めて軽いのが特徴ですが、代表的な抗エストロゲン剤「タモキシフェン」の長期間使用者では子宮がんや血栓症のリスクが、選択的アロマターゼ阻害剤の場合には骨粗鬆症のリスクが高まります。

  • (2)化学療法(抗がん剤)

    乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされ、アドリアマイシン、シクロホスファミド、パクリタキセル、ドセタキセルなどの注射薬等のほか、フッ化ピリミジン系の内服の抗がん剤(カペシタビンなど)が用いられます。 副作用としては、白血球・血小板の減少、吐き気や食欲低下、脱毛などの症状があらわれます。

  • (3)分子標的療法 ― ハーセプチン ―

    乳がんのうち20%~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。この分子標的療法は、HER2をねらい撃ちし、HER2タンパク、あるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんに効果が期待されます。

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【6】病期別治療

  • 0期

    乳房切除術、または乳房部分切除術と放射線照射を行います。術後に再発を予防するためにホルモン療法を行うこともあります。

  • I期からIIIa期

    手術が可能な乳がんです。しこりの大きさによって部分切除術、もしくは両胸筋温存乳房切除術が選択されます。術後の病理組織学的検査によって、再発の危険性が高いと判断された場合、その再発の危険性の大きさ、年齢や月経の状況、ホルモン受容体の有無に応じて、術後薬物療法を行います。また、がんの広がりや選択した術式によって、術後放射線療法を勧められる場合もあります。 また、II期でもしこりが大きい場合やIIIa期の場合には、術前化学療法を行うことがあります。術前化学療法により、乳房のしこりが小さくなれば、乳房温存手術が行える可能性が出てきます。

  • IIIb、IIIc期

    薬物療法、放射線療法を行ってしこりが小さくなれば手術を行う場合もありますが、原則として手術ができない乳がんです。

  • IV期

    手術は行わず、再発した乳がんと同様に病理組織学的検査に基づいて全身治療を行い、がんの進行を抑え、がんによる症状を抑えます。骨転移や脳転移などによる部分的な症状を和らげるため、放射線照射や手術が行われる場合があります。

  • 再発乳がん

    局所再発には、その部分だけを手術で切除したり、放射線治療を行ったりする場合もあります。遠隔転移が認められた場合には、がんの進行を抑えるために薬物療法を行います。また、転移によって出る痛みなどの症状を和らげるためは、全身的な薬物療法の他に病状に応じて放射線療法や手術などの局所療法も行います。 なるべく日常生活を支障なく送ることができるようにすることが治療の目的となります。

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