花牟禮病院 開院100周年記念講演会
国立がん研究センター理事長 中釜斉先生講演「がん医療の今」
花牟禮病院(花牟禮康生院長)が開院100周年を記念し2017年8月20日に鹿児島市の県医師会館で講演会を開催されました。
南さつま市出身で、小学校の同級生でもある、国立がん研究センター(東京)理事長の中釜斉氏が「がん医療の今」と題して講演。最新のがん治療法として注目されている「がんゲノム医療」の有効性について説明があり、300人を超える来場者は熱心に聞き入っていました。
日本人の約2人に1人ががんと診断され、死亡原因のうち約3人に1人ががんとされています。「がんゲノム医療」は、患者の遺伝子情報を調べてその人に最も適した治療法や薬を選ぶ最先端の医療で、国立がん研究センターが中心となって研究を進めています。
中釜理事長は「がんの様々な段階での遺伝子変異を解析し、がんの悪さの源を見つけ出す。がん細胞の“アキレス腱”をピンポイントで攻撃することができる」と、症例を交えて解説されました。
「従来と違って様々な臓器に横断的に対応でき、希少がんや小児がんもカバーできる、新しい時代の医療だ」と強調されました。
一方で、検査・治療できる施設は全国数か所に限られていることから「早急にデータベースやネットワークを構築し、日本中どこでも受けられるシステム作りが必要」と話されました。