冬来たりなば春遠からじ
先週末から今週にかけては、オリンピック閉会の話題がかすむほどトリプル台風のニュースで持ちきりで、特に北海道東部は大雨が続いていた中での台風11号の影響、また関東でも台風9号による大雨で各地で河川の氾濫があり、交通の遮断も含め多くの方々が被災されたようです。心よりお見舞い申し上げます。
それにしても、この台風は例年にない発生・進路状況で、毎年言われている地球温暖化、異常気象の現れのように思います。
片や西日本では相変わらずの猛暑で、8月も下旬になりましたがまだまだその勢いは衰えてくれないようですね…。
夏バテ、熱中症、その一歩手前など、暑さで疲労困憊されている方、多いですよね。
『水分補給・ゆっくり休養・しっかり睡眠』 どうかご自愛下さいませ!
さて、患者さんにとって(患者さんだけではないでしょうが)この夏の猛烈な暑さと冬の厳しい寒さ、どちらもかなり体に堪えると思います。実際に体調を崩される方も多いですから。
春と秋のように温暖あるいは冷涼という感じで、過ごしやすい季節がずっと続くとありがたいと思うのですが…、
とは言え、“春夏秋冬”この四季があるからこそ日本独特の季節感を味わえ、様々な行事を楽しみ、四季折々の美しい風景を堪能できるわけですけどね…。
よく人生のこともこの四季に例えることがあります。
先日お話された患者さんも「冬来たりなば春遠からじ」とおっしゃっていました。
これは私も大好きな言葉ですが、元々は英国の詩人シェリーの「西国の賦」という詩の一節だそうです(本来の意味は若干ニュアンスが違うようですが、細かいことはさておき)。
「がんと診断され、余命宣告まで受けて、その時の衝撃はとても言葉では言い尽くせない、目の前が真っ暗になるということはこういうことかと…。もうそれからは死という言葉が常に頭の中に浮かび、何も手につかないし、何も考えられない。誰にも会いたくない。
家族の前ではなんとか平静を装っていても、ひとりになると泣いてばかりで、泣きたくないのに涙がでてきて…もうどうしようもなかった」
こういう思いはきっとご本人にしかわからないのかもしれません。
家族もまわりの方々も、ともすれば患者さん以上に悩み、悲しみ、今後の事を考えているのでしょうが、それでもやはり心底その気持ちを理解することは難しいということをよくお聞きします。
だからこそ私たちも少しでも寄り添うことができればと、いつも願っています。
「がんの本もいっぱい読みました。ただ余りに色々な情報がありすぎて…良さそうに思えるもの、がんに効くサプリとかも結構飲みましたがあまり効果もなくて(苦笑)
もう何が一番良いのかわからなくなり、その内あきらめみたいな気持ちも出てきて…」
「そんな時に白畑實隆先生の本に出会って、フコイダンを知り、セミナーやら患者の会に参加して…ようやく全ては自分だ!と、病院での治療も食事療法とかも自分が主導して始めて意味がある、結果が変わるということが実感できました(笑)」
ここまで辿り着くにはきっと紆余曲折あったかと思いますが、ご本人がおっしゃるには、
「色々ながん関係の本があるけど、この治療はダメ!と極端に偏った内容の本よりも、希望や可能性を見出せるような本を読んだ方がいいのかなと。但し、サプリ関係は何でもかんでもがんに効くみたいに書いているある本も多いから気を付けた方がいいですね。とにかく自分の励みになる話を聞くこと、そういう意味では良くなった人の体験談が一番参考になるかもしれませんよね!」
今では、最初にお会いした時の印象とは打って変わって、とても朗らかな笑顔で気持ちの余裕も感じるほどお元気です!
病気の内容も性格も環境も皆さん違いますから、一概には言えませんけれど、
「冬来たりなば春遠からじ」
この思いを是非共感していただきたい! 心からそう願います。