“心の状態で遺伝子の反応が変わる” ~ エピジェネティクス
先日の福岡講演会の中で、喜多村先生が「良い考え方をすれば、遺伝子が良い反応を起こす」という話をされました。
卵巣がんの患者さんに対して、関わりを多くし、抑うつを減らすことにより、遺伝子の悪い反応が良い反応に変わるというデータを示され、環境によって変化する遺伝子のスイッチということで、『エピジェネティクス』という言葉を使われたのですが…
エピジェネティクス? なにやら聞きなれない難しそうな言葉です。
調べてみると、ヒトゲノムや分子生物学などという、やはり難しい内容がずら~っと並んでいました… (^_^;)
その内容は普遍的に定義されたものではなく、今もって複数の定義や説明があるようですが、一般的には「DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野」のことだそうです。(やっぱり難しい!)
要は、遺伝子(DNA)だけの性質に規定されることなく、ライフスタイルや食生活、社会的変化、環境汚染、また心理的な変化によっても動的に変化する…例えば、同じ遺伝子情報を持つはずの一卵性の双子でも、考え方や性格が異なり、嗜好や行動パターンに違いが見られる…と、いうようなことのようです。
そして、深層心理が免疫細胞の遺伝子に変化をもたらすのでは?という研究では、強い孤独感を感じている人は、炎症にかかわる遺伝子が過剰発現となっており、逆に抗体の生成や抗ウイルスにかかわる遺伝子においては発現量の低下が見られたそうです。
この結果によると、強い孤独感は炎症を伴う病気のリスクを上昇させるということですが、重要なのは、「どれだけ社会から疎外されているか」という客観的な事実ではなく、「本人がどれだけ孤独を感じているか」という主観的な感情の方が、免疫細胞との関連性が強かったということです。
先に述べた“卵巣がんの患者さん”がまさにそれで、孤独感から解放されて病気が快方へと向かった例でした。
社会的環境や心理的要因でも変化する遺伝子の反応。
私たちの体というのは、ある意味、無限の可能性を秘めているように思えます。
自分の努力で、心の持ち様で、生命のプログラムが変わる可能性があるのであれば…
やりがいがありますよね! 大いなる価値です☆
最後に、講演会の締めくくりで喜多村先生が言われたメッセージをご紹介しましょう!
『目的を持つと、時は、意味あるものに変わる』