『がん治療に思うこと』
「手術を受けたくないんです…フコイダンでなんとかなりませんか?」
「抗がん剤をやりたくないので、自然療法でやっていこうと考えています」
「娘がどうしても治療をしたくないと言っている…どうしたらいいですか?」
会にはこういうお問い合わせが毎日のように寄せられます。
抗がん剤の副作用が心配。 どうしたらいいだろうか?
治療をしても治るわけではないと言われた…だったら辛い思いをしてまでやる必要はないのでは?
父親が癌だった…抗がん剤治療をしていたが、すごくキツそうだった…
がん治療の情報を見て、あるいは身近な人の体験を通して、
抗がん剤治療に不安を感じ、「できることならば辛い治療は受けたくない…」
誰もが願うことで、そう考えるのも当然だと思います。
一方では、治療ができないことを不安がる患者さんもいらっしゃいます。
「白血球が下がってまた治療ができなかった…」
「予定通りに治療が進まない。 もし悪化してしまったらどうしよう…」
「手術ができるのなら受けた方が良い」 先生方もよく言われます。
手術可能な場合はまず癌を取り除く、確かにそれが良いのだろうと思いますが、
病気によっては後遺症等、術後の生活にも大きく関わる場合があります。
受けるリスクと受けないリスク、どちらを優先すべきか、簡単には決められない。
医学的な医者の見解を頭では理解できても、なかなか気持ちがついていけない。
当人にとっては決して易しい選択ではないはずです。
抗がん剤治療や放射線治療も然り。
どの治療にもメリットとデメリットがあり、「これがベスト!」と確信できればよいのですが、
残念ながら100%満足できるものはなかなか見当たらないように思えます。
最終的には、それぞれの尺度で考えて決断されている方が多く、その是非は測れません。
常に、「もし…」という前提で考えることが多いがん治療ですが、
ふと周りを見回せば、傍らには良き理解者、応援団もいらっしゃるのでは?
がんは厄介な病気ではありますが、今は「治らない病気ではない」とも言われています。
ひとりで思い悩むことなく、支え合いながら共に病気に立ち向かい、
より明るい希望が見える道を探して、信じて、前に進んでいただければ…と思います。