『楽観的に…』
ずいぶん前に、“楽観力”というテーマでブログを書いたことがありますが、
日々患者さんとお話する中で、やはり「心の在りよう」ということが重要なポイントだと
つくづく感じます。
当会へご連絡をくださる方は、がんの患者さん、もしくはそのご家族とか、
知人・友人の方がほとんどですが、
今の治療が上手くいかない、もう治療のやりようがなくなった、緩和ケアになっている、
あるいは、抗がん剤の副作用をなんとかしたい、これから治療が始まるため不安…
そして、今後の再発予防として考えたい、等々。
それぞれ状況は異なりますが、いずれにせよ現状を憂えてのご相談が多いです。
おひとり、おひとり、お話を伺っていく中で
諦めに近い境地の方もいらっしゃれば、まだまだ諦めたくないと願う方もおられます。
そこには当然病気の内容や進行度など、病状そのものが関係してきますが、
それぞれの“心の在りよう”にも大きく左右されている気がします。
言葉だけを並べると、本当に大変な状況の方が、意外に明るく前向きだったり、
症状としてはそれほど悪くないと思える方が、とても悲観的で落ち込んでおられたり、
現状だけでは推し量れないものをいつも感じてしまいます。
昔から、「病は気から」と言われます。
「プラセボ効果」という言葉もご存じの方が多いかと思いますが、
思い込むことで私たちの体にプラスの影響が出るのであれば、とても良いことですよね。
仏教の言葉で、「心身一如」と聞いたことがありませんか?
これは、肉体と精神は一体のもので分けることができず、心の在り方が体に影響を与え、
逆に体の不調も心に投影される、心と体の両方が相まって健康な生活が送れるということです。
病気になった経緯は人それぞれでしょうし、その原因はよくわからないかもしれません。
ただ、起こったことを悩み嘆くよりは、前を向いて希望を見出す方が良いに決まっている…
「でも、頭では理解できるけど、なかなか現実にはねぇ…そんな簡単なものじゃない」
そういうお声もよくお聞きしますし、その心情も十分に理解します。
それでも、敢えて、「いい意味で楽観的になってください」とお伝えしています。
“心の在りよう”は、患者さん自らが変えられることなので…
そして、ご本人でなければできないことでもありますから。
ご自身のために、少しずつでも前に進んでいけたらいいですね。