『春…に思ふ』
春分の日も過ぎて、ようやくこれから春本番!
そろそろ桜の開花情報も聞こえてくる頃ですが、“三寒四温”の言葉通り、
毎日のお天気や気温の変動が激しく、一昨日は台風並みの春の嵐が吹き荒れたり、
“春”というほのぼのとしたイメージの割には、意外と過ごしにくい時期でもありますよね。
当会においても、この3月から4月にかけては、問い合わせが若干少なくなる傾向があります。
おそらく、皆さん、それぞれご家庭の事情などで慌ただしくされていらっしゃるのかなと。
お電話でもそういうお話をよくお聞きしますから。
「あたりまえの日常」とか、「何気ない日々」など、
普段はことさらに表現することのない、本当にごく普通の暮らしの中で起こる出来事、
それがとても大切なこと、ありがたいことだと心から思う、
「がんになって初めて気づいた…」
なぜ、自分ががんになったのか…
その要因に思い当たり、悔やみながらも受け入れる方もいらっしゃれば、
「食事にもすごく気を使っていたのに…」と、どうしても納得できない方、
そして、淡々と冷静に受け止める方もおられます。
ご本人の心の中は、例え身近な家族であっても理解しきれないものだと思います。
そう思いつつも、少しでも寄り添いたいと願う、それもまた“心”です。
電話での対応ではありますが、私たちも日々患者さんと向き合う中で、
こちらが教えられること、気付くことも多いですし、
時として、上手く言葉が見つからない場面もあります。
そして、喜びに満ちたご報告を聞けば、我が事のように嬉しくなり、
なかなか思うようにいかない状況の時は、なんだか申し訳ないような気持ちにもなったり、
「一喜一憂しないでくださいね」と患者さんには話しているのに、
かえって自分の方が一喜一憂していることもあって、思わず苦笑い。
一年365日、季節はめぐり、毎日毎年、繰り返される日常の中、
目の前の人を、今あるものを、いつも大切に思えるような心持ちになれば、
人は幸せに生きていけるのではないかな…と、これも患者さんからの言葉。
あと10日もすれば4月になります。
また新たな年度の始まり、何かに期待したくなる“春”です。