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研究と症例
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フコイダン投与が著効したstage4b肝細胞癌の一例

はじめに:近年の情報化社会の進歩により、様々なサプリメントを使用する患者が増加しており、欧米では代替医療として様々な研究がなされている。フコイダンは褐藻類(コンブ、ワカメ、モズク等)に含まれるヌメリ成分の一つで、健康食品として通常30-60ml/日使用されている。今回我々はフコイダンの大量療法が、stage4b肝細胞癌に著効した一例を経験したので報告する。症例:47歳女性。2004年9月、B型肝硬変(Child-Pugh A5)に合併した肝S7の38mmの肝細胞癌に対して、当院外科にて肝拡大後区域切除術(中-低分化癌)施行。同年12月、肝内に多発再発し一部肺転移を認めた。抗癌剤治療を勧めたが拒否。その後、2005年2月の腹部CT検査では再発癌は急速増大し、AFP 146ng/ml、PIVKA-2 87mAU/mlと上昇した。患者は免疫能を改善させるため、独学で調べたフコイダンの大量摂取(400ml/日)を希望し、3月1日より開始。相乗効果を得るため、温熱療法も近医にて併用した。2週間後の3月14日の腹部超音波検査では肝内の再発癌は不明瞭化し、4月21日の腹部CT検査では肝内の再発癌、肺の転移癌供に著明に縮小し、AFP 13ng/ml、PIVKA-2 24mAU/mlと正常化した。その後徐々にフコイダンを減量したが、8月の腹部CT検査では肝、肺ともにほぼ癌は消失し、11月にはフコイダンを中止した。

考察:本例のようにstage4b肝細胞癌の症例にフコイダンが著効した報告はなく、その作用機序は不明である。フコイダンは飲水するだけで良くQOLが保たれ、副作用の報告もないので、今後、代替医療の一つとして検討する価値がある。

※第42回日本肝癌研究会 にて掲載されました。
当会会員の真島 康雄先生の研究結果です。

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症例2)78歳男性、ChildBのC型肝硬変。肺転移合併肝細胞癌に対して全身化学療法を施行したが無効で、血痰排出を認めていた。fucoidan 30ml/日使用。開始前→3ヶ月後でAFP 15977→10ng/ml、DCPは320000→32mAU/mlと改善し、胸部X線上肺転移癌消失。血痰は開始後2週間で消失した。