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検査データ解説
記載している基準値・正常値、検査の意味は一般的なものです。種々の検査は測定ごとに数十動くもの、小数点以下の変化で病的意味を強めるもの、組み合わせで解釈が変わるものなどさまざまです。 また、施設によって基準値・正常値が変わることがあります。実際の検査値については、かかりつけ医の指導に従って下さい。
血液・生化学検査
検査項目 | 基準値 | 検査意義と目的 |
---|---|---|
赤血球数 | 男: 410~560万個/μl 女: 380~500万個/μl |
血液中の赤血球の数を調べるもので、少ないと貧血、多いと多血症が考えられます。 |
ヘモグロビン量 (血色素) |
男 : 13.0~17.5g/dl 女 : 11.5~15.5g/dl |
赤血球の代表成分で基準値以下の場合、貧血と診断されます。ヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を全身に供給する重要な働きがあるため、中等症から重症の貧血では、息切れやめまいなどが現れてきます。 |
ヘマトクリット値 | 男 : 37.0~52.0% 女 : 34.0~45.0% |
血液中に含まれる赤血球の(容積の)割合を表します。赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの3つの検査データから、貧血の種類をおおよそ診断することができます。 |
血清鉄 | 男 : 65~205μg/dl 女 : 50~185μg/dl |
赤血球の原料となる成分です。鉄欠乏性貧血や栄養障害などで減少し、肝臓病では増加することがあります。 |
白血球数 | 3,500~10,000/μl | 白血球は、外部から侵入してきたウイルスや細菌などから身体を防御します。 白血球数が多い場合、感染症、膵炎などの炎症性疾患、まれに心筋梗塞、白血病などが疑われます。その他、大きな外傷、喫煙などでも増加します。また、少ない場合は、一部の感染症の初期、血液の病気、膠原病などが疑われます。 |
血小板数 | 13.0~38.0万個/μl | 血小板には、血液を凝固させて、止血する働きがあります。そのため、血小板が減ると、出血が止まりにくくなります。基準値未満の場合、血液の病気や肝臓病などが疑われます。 |
総コレステロール | 120~219mg/dl | - |
HDLコレステロール | 男 : 40~80mg/dl 女 : 40~90mg/dl |
- |
LDLコレステロール | 70~139mg/dl | - |
中性脂肪 (トリグリセライド) |
30~149mg/dl | - |
総蛋白 | 6.5~8.5g/dl | 総蛋白は、血液中のタンパク質であるアルブミンとグロブリンの総量です。 その多くは肝臓で作られるため、肝臓の働きが悪いと低下します。その他、栄養不良、消化吸収障害、腎臓病などでも低下します。 |
アルブミン | 3.2~5.2g/dl | |
総ビリルビン | 0~1.2mg/dl | 赤血球中のヘモグロビンからつくられ、肝臓で処理される色素です。胆のうや肝臓の病気、血液疾患で増加し、その結果として、黄疸(皮膚が黄色くなる)が現れてきます。 |
ZTT(クンケル) | 0~6.0単位 | 血液中のタンパク質の性質を調べます。肝臓病以外に膠原病などでも上昇します。 |
TTT(チモール) | 2.0~12.0 単位 | |
AST(GOT) | 7~40IU/l未満 | おもに肝細胞の中にある酵素で、肝細胞が障害されたり破壊されたりすると、血液中に溢れ出し上昇します。また、ASTは心臓や筋肉の病気でも上昇します。 |
ALT(GPT) | 3~49IU/l未満 | |
γ-GTP (がんマ ジーティーピー) |
男 : ~80IU/l 女 : ~40IU/l |
肝細胞に存在し、慢性肝炎の活動期や肝硬変、胆のうや胆管の病気で胆汁がうっ滞すると、ALPなどと共に増加します。飲酒によっても増加します。 |
ALP | 110~350IU/l | 肝臓や骨などに含まれる酵素で、胆汁の流れの悪い場合や骨の異常などで上昇します。 |
LDH | 120~250IU/l | 体の中で糖がエネルギーに変わるときに働く酵素で、全身の組織細胞の中に含まれています。損傷した臓器からLDHが溢れ出てくるため、肝臓だけではなく、心臓、肺、腎臓、骨格筋、血液などの病気でも上昇します。 |
LAP | 男 : 40~82IU/l 女 : 30~65IU/l |
タンパク質を分解する酵素で、胆道から排出されますが、胆汁のうっ滞がおこると、血液中に増加します。そのため肝臓や胆道の異常の手掛かりとなります。 |
Ch-E (コリンエステラーゼ) |
3200~8000IU/l | 肝臓のみでつくる酵素です。脂肪肝以外に腎臓病、甲状腺機能亢進症などで上昇します。逆に、慢性肝炎や肝硬変、その他栄養失調や消耗性の病気などで低下します。 |
HBs抗原 | 0~0.9col (-) |
現在、B型肝炎ウィルスに感染しているかを調べます。 陽性(+)の場合は、現在B型肝炎ウイルスが体内に存在していることを示すので、さらに詳しい検査を受けることをお勧めします。 |
HBs抗体 | 0~9IU/l (-) |
陽性(+)の場合、すでにB型肝炎ウイルスが体内に入り、それに対する防衛物質の抗体を有している状態です。B型肝炎にかかることはきわめて稀です。 |
HCV抗体 | 0~0.99S/CO | C型肝炎ウイルスが、現在体内に存在している、あるいは過去に存在していたことがある場合に上昇します。そのため数値が高い場合はさらに詳しい検査が必要です。 B型肝炎と同じく血液や体液を介して感染します。C型肝炎は慢性化しやすく、感染しても肝炎特有の症状が出ないまま慢性肝炎に移行することも多く見られます。また、慢性肝炎が長く続くと、肝硬変や肝臓がんになることがあり、肝臓がんの多くは、このC型肝炎ウイルスが原因です。 |
血糖 (グルコース) |
60~109mg/dl | 血液中のブドウ糖を測定して、主に糖尿病をチェックします。 |
HbA1c (グリコヘモグロビン) |
4.3~5.8% | 過去1~3ヶ月の平均血糖値を推定する検査です。 |
尿素窒素 | 7~23mg/dl | どちらも、体内でエネルギーとして使われた蛋白の老廃物(燃えかす)で、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。腎臓の働きが低下したとき、血液中の尿素窒素やクレアチニンが上昇します。 |
クレアチニン | 男 : 0.6~1.1mg/dl 女 : 0.4~0.8mg/dl |
|
尿酸 | 0~6.9mg/dl | 尿酸は、体内で「プリン体」という核酸の構成成分の一つからつくられます。その産生量が多すぎるか、または排出量が低下すると、尿酸が増えて「高尿酸血症」の状態になります。尿酸が高くなると痛風になるため、その診断をおこなう検査。 |
血清アミラーゼ | 31~117Iμ/l | アミラーゼはでんぷんなどの糖類を分解する消化酵素で、おもに唾液腺や膵臓から分泌されます。 |
尿アミラーゼ | 100~800Iμ/l | |
サイロキシン (T4) |
6.0~12.0pg/dl | 血液中には、T4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)という甲状腺ホルモンが分泌されています。これらは、 エネルギー代謝を調節する重要なホルモンですが、甲状腺の異常で多すぎたり、不足したりすると、様々な症状が現れます。 |
リウマチ反応 (RA試験) |
(-) | 抗体が自分の体を攻撃してしまう病気(慢性関節リウマチなど自己免疫疾患)の代表的なものが膠原病です。 |
腫瘍マーカー
マーカー名 | 正常値 | 対象となる主な病気 |
---|---|---|
ACT | 21-38mg/dl | 脳腫瘍・白血病・胃がん・肺がん |
AFP | 10ng/ml以下 | 肝細胞がん・転移性肝がん |
BCA225 | 160U/ml未満 | 原発乳がん・再発乳がん |
BFP | 75ng/ml以下 | 原発性肝がん・胆道がん・膵がん・腎がん・前立腺がん・睾丸がん・子宮体がん・卵巣がん・肺小細胞がん・白血病 |
CA15-3 | 30U/ml以下 | 原発乳がん・再発乳がん |
CA19-9 | 37U/ml以下 | 膵がん・胆道がん・消化器がん・卵巣がん・子宮体がん・肺がん |
CA50 | 35U/ml以下 | 肝がん・胆道がん・消化器がん・卵巣がん・子宮体がん・肺がん |
CA72-4 | 4.0U/ml以下 | 胃がん・大腸がん・卵巣がん・膵がん・肺がん・肝がん・胆道がん・乳がん |
CA125 | 35U/ml以下 | 卵巣がん・肝がん・胆道がん・膵がん |
CA130 | 35U/ml以下 | 卵巣がん・子宮頚がん・肺がん・肝細胞がん・膵がん・胆道がん・子宮体がん・胃がん・大腸がん |
CA602 | 63U/ml以下 | CA130/CA125と同系 |
CEA | 5.0ng/ml以下 | 結腸がん・直腸がん・膵がん・胆道がん・肺がん・胃がん・甲状腺がん・乳がん・泌尿器がん・子宮がん・肝細胞がん・食道がん・卵巣がん |
DUPAN-2 | 400U/ml以下 | 膵がん・胆道がん・肝細胞がん・食道がん・胃がん・大腸がん |
HCG-β | 0.2ng/ml以下 | 胞状奇胎・絨毛がん・異所性HCG産生腫瘍 |
IAP | 500μ/ml以下 | 胆嚢がん・神経芽腫・白血病・上顎がん・食道がん・膵がん・卵巣がん・腎がん・肺がん・胆管がん・口腔がん・尿路性器がん・大腸がん・甲状腺がん・悪性リンパ腫・胃がん・膀胱がん・睾丸がん・前立腺がん・子宮頚がん・肝がん・乳がん |
ICDH | 3-10U/l | 肝がん・転移性肝がん |
KMO-1 | 5300U/ml以下 (8倍未満) |
膵がん・胆嚢がん・胆管がん・肝がん・胃がん・大腸がん・卵巣がん・肺がん |
αMarogloblin | 120-320mg/dl | 造血器腫瘍・骨転移を伴う前立腺がん・末期がん |
NCC-ST-439 | 7.0U/ml以下 | 膵がん・胆道がん・胃がん・卵巣がん・子宮体がん |
NSE | 10ng/ml以下 | 神経芽細胞腫・肺小細胞がん・乳がん・卵巣がん・食道がん・胃がん・膵がん・大腸がん・甲状腺がん・褐色細胞腫・ガストリノーマ・インスリノーマ・カルチノイド |
PAP | 3.0ng/ml以下 | 前立腺がん |
PIPC | 160ng/ml以下 | 前立腺がんの骨転移 |
PIVKA-II | 40mAU/ml未満 | 細胞がん |
PSA | 3.5ng/ml以下 | 前立腺がん |
PTHrP | 1.1pmol/l以下 | 高カルシウム血症を伴う悪性腫瘍・成人T細胞白血病 |
SCC | 1.5ng/ml以下 | 子宮頚がん・膣がん・外陰がん・皮膚がん・食道がん・肺がん・上気道がん・頭頚部がん・奇形腫・膀胱がん |
sICAM-1 | 75U以下 | 膵臓がん・胆嚢がん・胃がん・β細胞白血病・ATL |
SLX | 38U/ml以下 | 肺がん・膵がん・胆道がん・卵巣がん・食道がん・胃がん・大腸がん・肝がん・子宮がん |
γ-Sm (がんマ エスエム) |
4.0ng/ml以下 | 前立腺がん |
SP1 | 4.0ng/ml以下 | 絨毛がん・卵巣がん・睾丸腫瘍・肺がん・乳がん・消化器がん |
SOD | 150ng/ml以下 | 卵巣がん・肝がん・胃がん・白血病 |
Span-1 | 30U/ml以下 | 膵がん・胆道がん・肝細胞がん・胃がん・大腸がん・食道がん・肺がん・悪性リンパ腫 |
STN | 45U/ml以下 | 卵巣がん・胃がん・大腸がん・膵がん・肺がん |
TK活性 | 5U/I以下 | 急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・悪性リンパ腫・悪性腫瘍 |
TPA | 70U/I以下 | 乳がん・肺がん・胃がん・大腸がん・原発性肝がん・胆道がん・膵がん・膀胱がん・前立腺がん・睾丸がん・卵巣がん・子宮頚がん・甲状腺がん・肉腫・悪性黒色腫・リンパ腫・白血病 |
YH-206 | 25U/ml以下 | 膵がん・胃がん |
エラスターゼ1 | 400ng/ml以下 | 膵がん |
サイトケラチン19フラグメント | 3.5ng/ml以下 | 肺がん・食道がん・直腸がん・卵巣がん・肺がん・子宮体がん |
サイロブロブリン | 5-30ng/ml | 甲状腺がん |
シフラ21-1 | 2.0ng/ml以下 | 肺扁平上皮がん・食道がん・胃がん・大腸がん・卵巣がん・肝がん・子宮がん |