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過去と他人は変えられない、でも、心の持ちようで、未来と自分は変えられる。N.Mさん(45歳・女性・肺がん)2010年取材
学生時代のN.Mさんは吹奏楽部に所属し、アルトサックスを担当。全国大会を目指すほど音楽に熱中されていました。
大学卒業後は秘書や社会福祉士として活躍し、現在は葬儀の進行司会をお仕事とされています。そんな美津子さんがご自身の体の変調に気づかれたのは2008年のことでした。
肺がんと診断された経緯をお聞かせください。
2008年の夏、首の左側に腫瘍が一つできました。ん?と思い、2つのクリニックで検査してもらったところ、どちらもリンパ節のバイ菌を止めるためにできた腫れであるということでした。血液検査は炎症反応を見るための基礎的な検査です。そういう前兆があり、その年の12月9日、急に高熱が出て、声が出なくなりました。私は葬儀の司会を仕事にしているので、これで会社が休める、卒園が迫っている息子のことに集中できると考えました。しかし、その後も咳が止まらず、微熱が続きました。かかりつけのクリニックで診てもらうと「風邪でしょう」との診断でした。
2009年1月末、ぎゅっと締めつけられるような痛みを胸に感じました。これは風邪ではないと自分で確信し、呼吸器の医師を訪ねました。「おかしい」ということになり、CT、胃カメラ、大腸ファイバー、エコーと検査し、 腫瘍マーカーも見ていただきました。最終的に「肺があやしい」となり、3月に岡山の病院でPET検査を受けました。内心、キャンサー(悪性腫瘍)ではないかと考え、その手の本もたくさん買っていたのですが、検査の結果は「サルコイドーシス(類上皮細胞肉芽腫が形成される全身性の肉芽腫性疾患)の疑いあり」。ちょっと「ずるっ」という感じでした(笑)。でも、がんではないと診断されたことがうれしくて、息子の卒園式にも無事に出席できました。
その直後、検査をしていただいたあるドクターから「どうしても気になるので頚部のリンパ節を切らしてください」との申し出がありました。私自身、サルコイドーシスの疑いありと言われただけで、確証ではなかったので「切ってください」とお願いしました。リンパ節を切除し、組織を見ていただき、やっと病名が確定しました。右の肺野にがんの原発巣があり、首の左側リンパ節に遠隔転移しているとのこと。ステージは3bから4。「末期であり、放射線もオペもできません」といわれました。それが2009年の3月末のことです。セカンドオピニオンも同じ結果であり、余命を尋ねると「最悪、1年と思ってください」とのことでした。