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大好きなお酒を断ち、美味しいメロンを育てることへの情熱で今を生きています。N.Tさん(71歳・男性・肝臓がん)2009年取材

お酒の方は?

真島先生は「N.Tさん、これだけ体が戻ってきたんだから、少しくらいなら飲んでいいよ」とおっしゃってくれましたが、お酒というものは飲み始めると、量が増えることはあっても減ることはありませんから、「いや、飲みません」と言いました。病気をする前、いろんな会合で、飲んで歌って踊っていましたが、今は歌って踊ってだけです。にぎやかなことが好きなので、それだけはやめられません(笑)。

現在の体調はいかがですか?

安定しています。真島先生からはいろんなお薬をいただき、全部残さずに飲んでいます。
昨年の7月からは低分子フコイダンを試してみようかといわれました。少々、値は張りますが、飲み始めてから疲れにくくなり、体調が崩れることも少なくなりました。それと、家内が先日こんなことを言いました。「あんた、髪を染めた?黒うなって、増えてきとるよ」と。看護婦さんたちも同じことを言うので、ああ、これはちょっと若返ってきているのかなとうれしく思いました(笑)。

手術からもうすぐ3年。以前と変わらず、メロン作りに精を出されているようですが、これからの夢は?

やはりメロンですね。もう歳だからなぁと思うことはありますが、土地を遊ばせたくないという気持ちの方が強いです。
30代の頃、私は農協青年部にいました。それである日、親に「メロンを作りたいから田畑を貸してくれ」と頼んだとき、「おまえ、頭がおかしくなったんと違うか」と言われました。まだ当時はお米で潤沢に生活ができた時代です。しかし、将来を考えれば、諸富の土に合った野菜を何か育て、定着させたいと考えていました。

当時は熊本がメロンの名産地でした。そこで、農家の方に話を聞きに行きましたが、詳しいことは教えてくれません。「それなら、よか。自力で追い越しちゃる」と思い、いろんな勉強をし、家内と2人で頑張ってきました。
土地に合っていたんでしょうね。収穫したメロンを市場の人が熊本産、諸富産と並べて味見したとき、諸富メロンの方が評価が高かったんです。それで、「よしっ、もっと頑張ろう」と思い続けました。以来40年です。
ビニールハウスは今、千坪あって、それを家内と私だけで手入れし、夕張メロンに負けないほど美味しいアンデスメロンを一生懸命に作っています。

ご苦労も多いと思いますが、一番うれしいときは?

やはり収穫のときです。手塩にかけて育てたメロンが市場のバイヤーさんたちに認められ、「今年のメロンはよくできている」。そう言われたときが本当にうれしくて、ありがたいです。そんな最高の一瞬をいつも楽しみにしながらメロンを作っていますので、苦労なんてありません。

最後にメッセージを。

いろんな会合でいつもみんなに言っていることがあります。それは、いくら若い人でも、体力に自信がある人でも、定期検診は必ず受けた方がいいということです。どうもなくても診てもらう。どうかあってからでは遅いんです。検査が好きな人はおりませんが、早いうちに病気を発見してもらい、治療なり、手術なりをしてもらう。だれのためでもなく、それは自分の人生のためにするべきことだと思います。

(※掲載している体験談は、患者様個人の感想であり、個人差があります。)

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